2022年1月、室町三井ホール&カンファレンスは、会場見学者がコロナ禍でのホール利用をイメージできることを目指し、3施設合同内覧会を開催しました。当日は、感染症対策を施したレイアウトを配備し、コロナ対応ソリューションを複数展示。安心安全なケータリングも紹介しました。さらに、3つの会場を繋いだオンライン配信も実演しました。
その際、室町三井ホール&カンファレンスの内覧会にご参加いただいたイベントのプロフェッショナルたちから、コロナ禍でのイベント需要や、当ホール施設の魅力・課題を語っていただきました。
本記事では、内覧会の様子を写真で、イベントのプロフェッショナルのコメントを取材記事でご紹介いたします。
ほかの内覧会会場
・日本橋ホール
・大手町三井カンファレンス
下の写真をクリックすると拡大表示されます。
マスクとマウスシールドを着用したスタッフが会場を案内
MICE用品のリース大手「ヒラツカリース」は感染症対策グッズやイベント什器を展示
個装されたフードメニューが披露され、懇親会の開催方法が提示された
人事研修や懇親会などの社内イベントのオンライン化のノウハウのご案内
安全・安心なケータリングメニューを多数紹介
他の内覧会場とライブ配信で連携したプログラムも展開し、会場のオンライン対応力が証明された
懇親会会場にも受付場所にもなるホワイエで足を止める来場者は多かった
メインホールとホワイエの間の動く間仕切りは、多様な会場利用を実現する
カンファレンスルームも仕切ることが可能。中継会場としても機能する点がポイント
高さを変えられる電動ステージは、細かい演出時に有用と、イベント会社から好評
カンファレンスルームの窓は開放可能なため換気することができる
医学会や製薬会社イベントなど医薬イベントの運営実績豊富な飯島氏に話を伺いました。
イベント需要の変化
「コロナ禍で会場選定基準が変わり、高速ネット回線が採用されていないと候補リストにも入れなくなった。医学会も製薬会社イベントもその傾向は明確。一方、ハイブリッドの普及でキャパシティの概念も変化し、今まで1,000-2,000人動員の医学会が、200-300人収容の会場でも開催するようになっている。言い換えると、小・中規模の会場はチャンス。」
JCSの強み
「JCSは、新型コロナが拡がり始めた当初から、オンライン化を推進。機材も人材も充実しており、イベントに合わせてWebツールを使い分けるなどのノウハウも蓄積してきた。また、海外にもアンテナを張っていて、国際会議を任されることも多く、遠隔同時通訳プラットフォーム「RSI X」国内独占サービスを開始した。」
室町三井ホール&カンファレンスの魅力・課題
「医薬系イベントは全国から人が集まるため、東京駅に近いことは、会場の重要なセールスポイント。その点、当ホール施設は東京駅から近いのが特長。ただ、その立地の良さが十分に知られていない。レイアウト面で言うと、扉の開閉や照明の演出が可能なホワイエは魅力的。プライベートイベントを開催したり、ホールと違う機能を担ったりと、使い勝手がいい。最後に、設備面だと、会場に備え付けの天吊りの高性能プロジェクター(上図)は、かなり高い位置なのでステージ上の登壇者の顔が来場者の頭に被ることがなく、使い勝手が良い。また、設営時間も短縮できるので運営側としては嬉しい。」
ゲスト招待制イベントなどの実績豊富な木村氏、各イベントの制作に関わりながらサステナビリティ推進室にも属する白川氏に話を伺いました。
イベント需要の変化
(木村氏) 「当社はこれまで、無形のサービスではなく、クルマやジュエリーなどの目に見える製品の展示会や発表会を数多く支援してきた。コロナ以降、ブランド側は、リアルな場での体験価値を追求しながらも、ハイブリッドイベント用の設備・環境を重視している。また、イベント会場がコモディティ化した今、会場単体ではなく街の個性やコミュニティの存在が会場選定基準に関与すると実感。イベント開催時にその街から誰が来て、どういう出会いが生まれるのかに関心が集まる。」
博展の強み
(白川氏)「最近では、体験価値づくりの実績が評価され、体験型店舗やポップアップショップなどもお任せいただくことが増えてきている。その背景には、社内にデザインチームがいて、短いリードタイムで、高品質なものを製作できるチーム体制やノウハウの蓄積がある。また、国内最大級のサステナビリティイベント『サステナブル・ブランド国際会議』の開催やメディア運営を通じて、サステナブルなMICE開催の相談・依頼が増加した。」
室町三井ホール&カンファレンスの魅力・課題
(白川氏)「当ホール施設は、ちょうど良いサイズ感で、ワーカーや買い物客も多い立地が魅力的。そのため、ジャストアイデアだが、食品やスポーツ用品といったブランドが、初日に発表会、翌日以降は展示会や商談会を行なうのに好都合だろう。また、『日本橋サステナブルサミット』運営時に実感したが、ステージ演出は色々できるため、今までホテルで行なっていたような大手企業の授賞式などにも適していると感じる。」
室町三井ホール&カンファレンスの魅力・課題
(木村氏)「日本橋エリアはランドマークと呼べるものがなく、歴史・文化的という漠然としたイメージのまま。ひょっとすると、街をどう使えるのか、どう楽しめるのかのイメージが湧かない人が多いはず。唯一無二の個性はあるため、老舗との連携をイベント会場が深めるなど、個性を磨く必要がある。」